健やか豆知識
体温計の測り方完全版!正確に検温を行う方法と平熱の知り方をご紹介

新型コロナウイルスの流行以来、自身の健康状態を把握するために体温計を毎日使用する方が増加しました。
オフィスや百貨店、宿泊施設等でも検温を求められる機会が多く、かつてないほど体温に敏感になっている方も多いかもしれません。
体調を正確に管理するためには、体温計を使った正しい体温の測り方を理解することが重要です。
どの部位を使って測るべきなのか、汗をかいている時はどうするべきなのかなど、シチュエーション別の対処法から平熱の知り方まで詳しくお伝えします。
体温計を使った熱の測り方の基本
あまり意識する機会はありませんが、体温計を使った熱の測り方には把握するべき決まりがあります。
これを正確に理解することが、正しい体温を検知するための第一歩です。まずは機器の基礎的な使用法を整理することから始めましょう。
脇に挟み込むようにして測定する
最もオーソドックスな方法と言えるのが脇を使った測定です。体温計を挟み込むようにして計測を行いますが、脇の位置次第で温度が大きく変化するため注意が求められます。
体温計の先端を脇の中心に押し当てるように測定しましょう。
角度が下から上に向けるようにし、脇を締めて使うことも重視すべきです。
口の中に先端を入れた状態で測定する
口内で測定を行う場合、体温計の先端を舌の付け根に押し当てます。舌の上に乗せ、口を閉じて測定する人もいますが、それは誤りです。
舌下に密着させることで、より正確な体温を測定できます。口を閉じた後は必ず体温計を指で支え、バランスを崩さぬようキープしましょう。
直腸腔に挿入して数分維持して測定するい
欧米で最もポピュラーな計測方法は、直腸腔に挿入して数分間維持するという方法です。直腸内は外部の空気が触れにくい状態になることから温度が安定しやすくなります。
先端部分の4~5cmを挿入し、2~3分程度待ってから取り出して温度をチェックしましょう。
体温計の種類別に見た測り方
国内外ではさまざまな種類の体温計が販売されています。正確に測定を行えば結果に大差は生じませんが、それぞれが異なる特徴を抱えているため、ほかのタイプの体温計と一緒くたにして使わないように要注意です。
具体的に3つのタイプに分類し、それぞれの特徴と図り方をお伝えします。
予測式(電子)タイプの体温計の特徴
予測式は、検温をスタートさせた瞬間の体温を測り、熱の上昇率をデータベースに照らし合わせ、体温を予測します。
速やかな計測が可能である反面、やや高めの数値が出やすいタイプです。
近年流行した耳式体温計の特徴とは
耳式体温計は、耳の中に先端部分を挿入し、左右に軽く振って計測を行います。
通常の機器とは異なり、放射熱を感知して温度を表示する点が特徴的です。数秒というごくわずかな時間で測定が可能ですが、脇などの計測よりも正確性では劣ります。
実測式(水銀)タイプの体温計の特徴
昔ながらのガラス窓が付いた実測式は、正味の体温を知るために使うタイプで、脇や口の温度を都度計測することで数値を導き出します。
使用法に特段の注意点はないものの、計測完了まで5~10分程度を要することが難点です。最近は使われることがなくなり、生産終了を発表するメーカーも増加傾向にあります。
体温計の測り方で注意すべきこと
体温計を使う最中やその前後の行動には注意が必要です。誤った使い方をすると正確な体温を測定できず、過度にコンディションが悪いと勘違いしたり、反対にトラブルの予兆を見逃したりします。
機器を使用するうえでの注意点をこの項目を通じてお伝えします。
飲食後や運動後などの使用は避ける
飲食を行った直後は代謝が上がり発熱しやすくなります。運動をした直後も同様に熱を持ちやすくなるため、このタイミングで使用することはできる限り避けましょう。
特に夏場には、歩いただけでも体温が平熱より1度近く上がることもあります。クールダウンしてから測定することを意識すべきです。
測定中の環境はニュートラルにする
機器は非常にデリケートであり、測定中の環境次第で結果が大きく変動します。
可能な限りニュートラルな環境下で測定することを心がけてください。
たとえば厚手の服を着たまま測定したり、布団やベッドの中で測定したりすると、熱が籠って温度が高くなります。
発汗している場合は先にタオルで拭く
発汗したまま体温計を使うと、先端が皮膚に密着せず、正確な値が表示されません。
汗が蒸発する際は気化熱の影響を受けて周囲の温度が低下することも問題です。事前に乾いたタオルで汗を拭い、数分待ってから測定をスタートさせます。
体温計を使った平熱の測り方
現在の体温が正常か異常かを見分けるには、あらかじめ正しい平熱を測定して理解することが重要です。
特に男性の場合は基礎体温を測る機会も少なく、正しい平熱を把握できていないかもしれません。
コンディションが良い時に、これからご紹介する方法で平熱を調べることを推奨します。
1日4回程度測定して平均値を出す
平熱は1日に複数回測定して平均値を割り出します。
具体的には起床直後、午前中、午後、就寝前の4回がおすすめです。タイミングに応じた体温を記録し、ばらつきがあれば平均を導き出しましょう。
数日に分けて調査を続けることでより正確な平熱を把握できます。
必ず同じ方法で体温の測定を行う
起き抜けは脇、就寝前は口内というように測定する部位を変えると、数値がばらつきやすくなります。
平熱を知る際は最もベーシックな脇の測定がおすすめです。安定した状態で固定でき、差異が生まれにくくなります。
心身が落ち着いているタイミングを狙う
起きてから数分後、食事をした直後、入浴直後などは体温が定まりません。こういった時に測定を行っても正確な数値が現れませんので、なんらかの行動から30分程度が経ち、心身が落ち着いたタイミングで測ることが大切です。
まとめ
コロナウイルスが蔓延し始めてから体調管理のために体温を測る方も増えたかと思われます。ただ正しい測り方をしないと、本来の体温より低く出てしまう可能性もあるのです。
測る場所によっても変わり、体温計によっても正しい測り方は異なります。自宅にある体温計がどの種類かを確認してしっかり体温を測ってください。
また、タイミングによっても体温は変わり、正しいタイミングがあります。そのため、正しいタイミングで正確な体温を測りましょう。