検診•予防
被災地や会社でのインフルエンザ予防と対策について

最近は大きな台風などの影響で、避難所での生活をおくることになることもあります。避難所では人と人との距離が近い、疲れやストレスがたまるなどで繊毛細胞の働きが弱くなりがちです。
★インフルエンザ感染予防は口腔ケアが効果的
避難所では水が少ない場合が多いこともあり、普段より水分補給が少なくなり、歯磨きの機会が減り口腔ケアが怠りがちになります。口腔細菌(歯垢中に多い)は酵素の働きによって増殖します。酵素がウイルスを増殖させるで、口腔ケアを怠るとインフルエンザに感染しやすくなり、歯周病による炎症もウイルス感染を促進させます。インフルエンザ予防に口腔ケアをしっかりしましょう。今年は雨が多く室内で過ごすことも多いので、家庭や学校でも日々の感染予防とし、寝る前には磨き残しのないように注意しましょう。また、歯科医でのケアも大切です。

会社休んだ方がいい?
「インフルエンザに感染したけど、会社休んだほうがいいのでしょうか?」「子どもが感染したのですが、私はいつも通り会社にいってもいいですよね?」といった問い合わせがあります。
インフルエンザのような感染症になった時でも、出勤しなさいという会社がまだあるのかと驚きますが、現実は「たかが風邪くらいで会社を休むなんて・・・」といった根性論が当たり前の会社もまだあるのですね。
インフルエンザは「飛沫感染」と「接触感染」という2つの経路によって人にうつります。会社に出勤するとインフルエンザウイルスを他の社員に移す可能性が大きく、同じ部署全員が感染してしまったなんてこともあります。また、高熱で生産性は上がらないです、衛生教育がきちんとされていれば、このような根性論を言う人はいないでしょう。

熱が下がり回復してくると出勤したくなりますが、ウイルスは完全に死滅していないことを忘れてはいけません。感染予防としてテレワークなど臨機応変な対応ができるように準備することも必要になってきます。感染力が強いインフルエンザにかかった時、感染が広がらないために、「休む」ことが当たり前になり、テレワークなど柔軟な働き方ができる職場環境となれば、職場のリスク管理になります。柔軟な働き方は「働き方改革」の一つです。
感染が拡大する前に、職場で話し合うのもいいですね。
インフルエンザ予防には日頃から栄養バランスのよい食事を摂り、十分な睡眠時間を確保し、適度に運動をすることが大事です。インフルエンザウイルスに負けない体を維持するよう日常生活でも気をつけましょう。
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この記事の監修・専門家:橋野 由利子 |