検診•予防
うがいではコロナへの効果が無い?!効果の真実と正しいやり方を徹底解説

風邪の予防策を問われると、多くの日本人が手洗いと並行してうがいと答えるはずです。衛生対策の基礎に感じるうがいですが、実はコロナのガイドラインでは厚生労働省やWHO(世界保健機関)による推奨は行われていません。
ならば、うがいはどんなシチュエーションで効果を発揮するのか理解を深めることが重要です。
行動が一切無意味というわけではないため、効果の有無の真実を知り、きちんと作用させるためのやり方を再確認するためにも、この記事をぜひご活用ください。
うがいはコロナへの効果なし?
ウイルス対策に効果的なイメージとは裏腹に、コロナになんらかの効果が認められることを各機関は正式に発表していません。
効果がないと断言してこそいないものの、手洗いやアルコール消毒と同等の有効性は未確認です。むしろ感染拡大を誘発する可能性も含み、要注意と言えます。
厚生労働省は正式に推奨していない
厚生労働省は「感染対策の基礎知識」をHP上で公開中ですが、この中にうがいが有効であるとの文言は皆無です。
また、コロナに対する啓発資料でもその立場は変わらず、印刷して活用できるピクトグラムにおいても、うがいの項目は不在という事実があります。
WHOも静観の姿勢を見せている
WHO(世界保健機関)も厚労省と同様に、うがいがコロナに有効だと公式に発表したり、メッセージを発したりした経歴はありません。
静観の姿勢を崩さないという点も厚労省と同じで、効果の有無に関する明言を避けているというのが実情です。
むしろ感染の拡大を誘発するとの説も
むしろ逆効果であるとの見識が示されることもあります。細菌やウイルスは喉にも多数潜んでおり、これがうがいによって外部に放出され、それが感染源になると考えられるためです。
特に洗面台を共有する同居人がいる場合、これが原因で感染を誘発することも有り得ます。
うがいは何に効果を発揮するのか
脈々と受け継がれてきた文化のような存在でもあるうがいには、どんな有用性があるか解説します。
コロナへの有用性は未知数ながら、一定の効果が認められることを示す論文も公開済です。期待できる作用について確認し、この項目で整理していきます。
風邪の発症を4割程度抑えられる
日本国内で行われた実験で、うがいにより風邪の発症を4割程度抑えられるとの結論が導き出されました。これは米国予防医学会機関紙にも論文として掲載されており、その効果を立証する貴重なデータです。
予防という側面に着目すれば風邪の対策に有効なことがわかります。
口臭の原因となる菌を除去できる
口の中や喉の奥には、口臭の原因となる細菌が無数に潜んでいます。これを除去して清潔な状態を保つために、うがいは極めて効果的です。
歯磨きでゴミを取り切れたと思っていても、実は細かく裁断された状態で口内に残留するケースが多く、うがいでこれを除去しなければ口臭の原因を解決できません。
喉の痛みを抑えられる可能性がある
風邪を引いた時、唾を飲み込むと喉が痛くなることがあります。これは咽頭炎など炎症が原因で起こるケースが大半を占めますが、薬局などで市販されるうがい薬には、それを抑制する抗炎症作用が含まれることがあるのです。
この効能により、風邪の発症後にも一定の効果に期待できます。
うがい薬の効果とデメリット
うがい薬を使用すると、水だけで行う場合と比較して殺菌力が格段に上がり、炎症を抑える作用にも期待を持てます。
一時期はポビドンヨードを含むうがい薬が品薄になることもありましたが、効果の裏にデメリットが潜むことを無視できません。その内容を解説します。
持病のある方や妊娠中の方は要注意
製品に配合されるポビドンヨードはヨードの一種です。
体内に吸収されると甲状腺に異常が生じる場合があり、これに関連する持病を持つ方は使用を避けるべきと言えます。
また、妊婦も悪影響を受ける可能性があるため、使用は推奨されていません。
飲み込むと嘔吐や腹痛の症状が現れることも
うがい薬は飲み込むことを前提に製造されておらず、多少であれば飲み込んだ際の有毒性はないものの、濃度次第では嘔吐や腹痛などの症状が現れるおそれがあります。
「牛乳に混ぜて飲むと癌に効く」という説も単なる都市伝説で、有効性や安全性は未確認です。
必要な常在菌も一緒に殺菌してしまう
口内には、本来残しておくべき常在菌が存在します。
一説には約100億個の細菌があるとも言われますが、これらの細菌は悪玉菌と戦う作用を持ち、歯周病やウイルスに対抗する存在です。
ポビドンヨードなどの成分は善玉菌も含めて殺菌するため、口内のバランスが取りにくくなるおそれも生じます。
効果的なうがいの方法
うがいはやり方次第で効果をもたらす一方、前述したような逆効果になる場合もあります。
諸問題を防ぐためには、正しい方法でうがいをすることが非常に重要です。何に意識してうがいすべきなのか、詳しくご紹介します。
事前に口をゆすいでゴミを流しておく
口内には食べ物のカスなど多くのゴミが残留しています。いきなりうがいをすると、これらのゴミが喉の奥に入り、炎症を引き起こすリスクがあるため要注意です。
事前に口をゆすぎ、その水を吐き出す事が事前準備として有効になります。
15秒間のうがいを2セット行う
基礎原則として、うがいは一度につき15秒間行います。喉の奥で「ガラガラ」と音を出したり、「アー」「オー」と声を発したりしながら実行しましょう。
この水を吐き出したら、もう一度15秒間、新しい水に替えてからガラガラを繰り返します。
うがい薬を使用する際は希釈する
うがい薬を併用する場合、説明書に記載された通りに希釈します。
原液を使用しても効果が強まることは絶対に有り得ません。むしろ喉を痛める可能性が高まるため、推奨された量を守ることを徹底することがポイントです。
まとめ
うがいはコロナウイルスに有効とされておらず、文献でも明確な効果が示されているわけでもありません。ただし、通常の風邪の予防や喉の痛みの緩和には効果が期待できます。
また、うがい薬を使用する場合でもしっかりと正しいうがい方法を実践することが大切です。間違った方法でうがいをしてしまうと逆効果になってしまいますので注意してください。
うがいの効果と正しいうがいの方法をしっかりと理解して、風邪を予防できるように注意していきましょう。